看護師が知っておきたい肝臓癌の治療と看護のキホン

肝動脈化学塞栓療法(TACE)治療・検査

治療前日までに、採血、肝臓予備機能の検査(ICG試験)、心電図、胸部、胸部X線を行います。

 

治療日は、血管造影室で冠動脈塞栓術を行います。
標準的な治療時間は、1時間30分から2時間です。

 

治療翌日に、採血をします。

 

治療後3日目、5日目、7日目にも採血をします。

 

一般的に、標準的な入院期間は6〜12日に退院となります。

薬(内服・点滴)

治療前日までに、持参薬を確認します。

 

治療前に点滴ルートを確保します。
内服薬は、治療時間と薬内容を踏まえ、医師から内服指示があります。
治療後は、治療内容によって点滴内容が変更になります。

 

治療翌日から、内服は通常通りです。
治療翌日から3日間は点滴を行い、4日目以降からは必要な場合に点滴を行います。

処置

治療前日までに、治療部位の除毛を行います。
両足の動脈にマークをつけ、治療時に使用する弾性ストッキングのサイズ(足首、ふくらはぎ)を測定します。

 

治療日の治療前は、検査着に着替え、弾性ストッキングを着用してもらいます。
点滴のルートを確保し、膀胱留置カテーテルを挿入します。

 

治療後は、治療終了後2時間ごとに看護師が穿刺部からの出血や嘔気、嘔吐、発熱、
上腹部痛を確認します。

 

尿比重、尿量を確認し、医師の指示に基づいて点滴の滴下速度を調整します。

 

治療翌日は、問題がなければ膀胱留置カテーテルを抜去します。

 

退院後も3ヶ月に一度は血液検査、CT、超音波検査などの画像検査を行い、
定期的な経過観察が必要であることを説明します。

安静度

治療前日までは、病院内自由です。

 

治療日は、治療までは病院内自由ですが、治療後は安静にします。

 

治療翌日は、問題がなければ病棟内自由とします。

 

治療2日目からは、病院内自由です。

食事

治療前日まで、たんぱく質・エネルギーコントロール食とします。

 

治療日は、治療時間によっては変更になりますが、基本は絶食です。

 

治療翌日から、たんぱく質・エネルギーコントロール食とします。

清潔

治療前日、治療開始前は入浴・シャワーができます。

 

治療後は、入浴・シャワーはできません。

 

治療翌日は、清拭をします。

 

治療2日目からは、熱がなければ入浴・シャワーができます。

排泄

治療前に、膀胱留置カテーテルを挿入します。

 

治療翌日、安静度自由になったら膀胱留置カテーテルを抜去し、
トイレ歩行が可能になります。

看護のポイント

・治療前

 

両足の動脈にマークをつけます。
このマークは、穿刺動脈の血栓症が起きると、下肢の虚血をきたすので、
下肢の循環を確認するために必要です。

 

血栓予防のため、弾性ストッキングを準備します。

 

・治療後

 

治療後は、動脈を穿刺しているので、出血予防のため、
治療した足を曲げたり、起き上がったりしないように安静を促します。

 

治療後、尿比重・尿量を2時間ごとに確認し、
造影剤や抗がん薬による腎障害が起きていないかをアセスメントします。
尿比重・尿量の値にあわせ、医師の指示通りに輸液します。

 

治療後、発熱時は、クーリングを行います。

 

疼痛・嘔気・嘔吐は、通常1〜2日見られます。
制吐薬や鎮痛薬等を使用し、患者さんの苦痛を最小限にします。

 

安静によって、腰痛・背中痛などの苦痛もあるので、
温罨法などの対処療法も考えて実施します。

 

・退院まで

 

治療による安静と穿刺部の動静脈圧迫により、
深部静脈血栓症をきたし、肺血栓塞栓症および肺梗塞の原因となるので、
十分に注意します。

 

治療によって腫瘍壊死や正常実質への炎症性変性により、
肝機能低下を招くリスクが高いです。
肝不全症状には十分注意をします。

 

・退院時

 

退院指導を行います。

 

肝がん進行による症状のモニタリング、食事療法、排便コントロール、
薬物療法、皮膚の保護について指導します。