看護師が知っておきたい肝臓癌の治療と看護のキホン

肝がん進行による症状のモニタリング

黄疸、浮腫、腹部膨満感、腹水、全身倦怠感、息苦しさ、意識混濁などの
肝不全症状が現れたときは、すぐに受診するように患者さんやその家族に説明します。

食事療法

肝がんの患者さんは、肝機能の状態に合った食事療法が必要となります。

 

・肝硬変代償期

 

肝硬変代償期は、バランスのとれた食事内容を基本とした食事療法が必要です。
塩分やカロリーの摂り過ぎには極力注意します。

 

肝機能が低下し、糖代謝が低下するので、
肝臓に蓄える糖分が不足し、エネルギー不足になるので注意します。
一方、エネルギーを過剰に摂取すると、脂肪肝になるので注意が必要です。

 

必要エネルギーの求め方は、標準体重1kg×25〜30kcalです。
標準体重の求め方は、身長(m)×身長(m)×22=標準体重指数(BMI)です。
例えば、身長が165cmの人は、1.65×1.65×22=59.89kgで60キロぐらいが標準体重であり理想体重です。
165cmで60kgの人の必要エネルギーは、60kg×25〜30kcal=1500〜1800kcalです。

 

肝臓の修復のために適量のたんぱく質の摂取が必要です。
ですが、肝機能が低下している肝臓には高タンパク食は負担になります。
ですから、過剰なたんぱく質の摂取は控えるようにします。
必要なたんぱく質は、標準体重1kg×1.0〜1.5gです。

 

肝機能低下によって、ビタミンの代謝が低下するので、ビタミンは十分に摂取するようにします。

 

便秘を予防するために食物繊維をしっかりとるようにします。

 

アルコールは肝臓に対して、直接的に細胞障害作用と線維増殖作用を持っています。
大量飲酒を継続していると、脂肪肝→肝炎・肝線維症→肝硬変のように肝障害を促進します。
ですから、禁酒の指導が必要です。

 

・肝硬変非代償期

 

肝硬変非代償期では、合併症の種類によって食事療法の内容を調整します。

 

腹水を伴う場合は、基本的に塩分の制限と水分の制限を行います。

 

肝性脳症を伴う場合は、たんぱく質の摂取制限が基本です。
便秘を予防するために、食物繊維を積極的に摂取します。

 

食道静脈瘤を伴う場合は、食道の炎症を悪化させないように、
刺激物の食品や熱すぎる飲み物を控え、静脈瘤を傷つけないように、
硬い食べ物や魚などの鋭角部分のある食材に注意するようにします。

排便コントロール

便秘に伴う血中アンモニア値上昇により、
肝臓の処理能力を超え、解毒しきれないアンモニアが血中に入り、
肝性脳症をひきおこすことがあります。
ですから、排便コントロールを行う必要性についてもしっかり説明します。

薬物療法

肝治療薬、利尿薬を確実に内服するように説明します。

皮膚の保護

皮膚の清潔、保湿のため、爪を短くし、皮膚への刺激を軽減します。
皮膚の感染を予防することや、化学繊維は皮膚への刺激が強いので、
綿やシルクなど刺激が少ない寝巻きを選択するように説明します。