看護師が知っておきたい肝臓癌の治療と看護のキホン

肝臓の解剖生理

肝臓は、腹腔の右上、横隔膜の直下に位置している最大の臓器です。
重さは1000〜1500gほどで、暗褐色をしていて、形はくさび形です。
そして、予備能力に優れた臓器でもあるので、
正常な場合は75%を切除しても肝臓機能を保つことができます。

 

肝臓の血管・区域

 

肝臓には、酸素を供給するための肝動脈と、
腸で吸収された物質を送る門脈(静脈血)があります。
そして、肝臓に入る血液の70〜80%は、門脈血です。

 

肝動脈と門脈はどちらも肝臓の下部の肝門から入り、
胆汁が通る肝管も肝門からでています。

 

肝臓内を通った血液は、上部の肝静脈から下大静脈に送られます。

 

さらに、肝臓の右葉、左葉の区域は、
解剖学的には、肝鎌状間膜(かんかまじょうかんまく)を境に分類されます。
機能的には、血管支配・胆管走行に基づき、カントリー線を境に分類されます。

 

肝小葉の構造と肝細胞・類洞・ディッセ腔の構造

 

肝臓の実質は、小葉と呼ばれる機能的単位から成り立っています。
中心静脈を中心とし、肝細胞の索が放射状に辺縁に向かって並んでいて、
隣り合う小葉との間にグリソン鞘があります。

 

肝細胞と類洞野間葉、ディッセ腔という隙間があります。
ディッセ腔には、星細胞という間葉系の細胞が存在し、
ビタミンAの貯蔵などに関与しています。
そして、このディッセ腔という隙間から、血漿成分が自由に行き来し、
肝細胞は血液から栄養分などを効率的に取り込むことができます。

 

肝臓の機能

 

肝臓の機能は、「代謝」、「解毒・排泄」、「胆汁の産生・分泌」、
「血液凝固」、「循環調節」などです。

代謝機能

(1) 糖代謝: グリコーゲンの合成・分解
(2) たんぱく質代謝: アルブミン・グロブリンなどの血清タンパク合成、血液凝固因子の生成
(3) 脂質代謝: 血清脂質の合成、胆汁酸の合成
(4) ホルモン代謝: インスリン、グルカゴン、女性ホルモンなどの分解。
            血小板増殖因子、肝細胞増殖因子などの産生。

解毒・排泄機能

体内の代謝産物、解毒、薬物を酸化・還元・抱合し解毒する。
胆汁中へ排泄する。

胆汁の産生・分泌機能

中性脂肪、コレステロール、リン脂質、ケトン体の生成。

血液凝固に関する機能

肝臓に貯蔵されたビタミンは、血液凝固因子(U、Z、\、])を活性化する。

 

肝臓を流れる血液は、全血液量の15%で、血液の貯蔵プールとなり、出血時には、補欠作用を行う。

循環調節機能

肝臓は、血液を貯蔵していて、出血時には補血作用を行う。