看護師が知っておきたい肝臓癌の治療と看護のキホン

肝臓がんとは

肝臓がんとは、肝臓にできる悪性腫瘍のことです。
肝臓は、肋骨の内側にある消化器官系の臓器で、
本来はとても強い臓器なので、肝臓の調子が悪くてもあまり自覚症状を感じることがなく、
気づいてみたら機能が弱くなっていた、がんになっていたなど
病気になっていることがあります。

 

部位別悪性新生物で、肝がんの死亡率は、男性は4位、女性は6位となっています。

 

肝臓がんの症状は早期では無症状ですが、
進行すると肝硬変の症状、発熱、腹部腫瘤、腹痛などがあります。

 

肝臓がんの検査は、腫瘍マーカー:AFP(アルファフェトプロテイン)、
PIVKA-U(ビタミンK欠乏タンパク‐U)などの血液検査、
超音波や造影CT(コンピュータ断層診断)、MRI(磁気共鳴画像診断)などの画像診断があります。

 

肝臓がんの治療は、肝切除や肝移植などの外科治療、
RFA(ラジオ派熱凝固療法)の経皮的局所療法、
肝動脈化学塞栓療法(TACE)、肝動脈化学療法などの内科治療などがあります。

 

 

肝臓がんには、原発性肝がんと、転移性肝がんがあり、
日本人に多いのは、原発性肝がんです。

 

原発性肝がん

原発性肝がんの90〜95%ほどが肝細胞がんで、残りの5〜10%程は胆管細胞がんです。

 

そして、日本で発生する肝細胞がんの原因の80%がC型肝炎ウイルス陽性、
15%ほどがB型肝炎ウイルス陽性です。

 

原発性肝がんは、50〜60歳代の男性に多く、90%が肝硬変や慢性肝炎を伴っています。

転移性肝がん

転移性肝がんでは、胆道、膵臓、大腸、卵巣、胃などの腹部臓器がん、
乳がんからの転移が多くなっています。
その中でも、最も多いのは、大腸がんからの転移です。

肝臓の病態生理

原発性肝がん

 

肝臓には、肝細胞と胆管細胞があります。
それぞれの細胞がガン化すると「肝細胞がん」、「胆管細胞がん」があります。
そして、肝がんのほとんどが肝細胞がんです。

 

肝がんは、初期の頃は、正常な肝細胞が十分に肝臓に残っているので、
症状もなく、肝機能自体も正常であることが多いです。
ですが、肝がんが進行すると、肝機能が低下し、やがて肝不全になります。

 

ただ、肝硬変の状態で肝がんが発生した場合は、肝機能も既に悪くなっています

 

肝細胞がんの多くは、肝炎ウイルス感染から慢性肝炎、肝硬変を経て発症しますが、
慢性肝炎から肝硬変を経ずに、肝細胞がんを発症することもあります。

 

転移性肝がん

 

肝臓は、動脈血を通じて肺や乳房の悪性腫瘍から転移することがあります。
また、門脈血も流入するので、胃、膵臓、大腸などの悪性腫瘍から転移する事も多いです。

肝臓がんの原因・病態

転移性肝がんの発生頻度は、原発性肝がんの20〜25倍です。

 

日本では、80%はC型肝炎ウイルス、15%はB型肝炎ウイルスの感染によって
肝細胞がんが発生しています。
つまり、ウイルス性疾患を背景に発生する肝細胞がんは95%ほどにもなります。
残りの5%は、アルコールの飲みすぎ、高齢、喫煙、男性、脂質異常症(高脂血症)などが
危険因子となっています。